ニュースで地震速報が流れた時に海外が震源の場合では「マグニチュード」、国内が震源の場合は「震度」という単位で強さが報じられていることが多いですよね。
なぜ国内と国外で単位が違うのかといったことや、マグニチュードを震度に換算するとどれぐらいの規模になるのか気になったので調べてみることにしました。
マグニチュードと震度の違い
震度とマグニチュードはどう違うのですか?
震度は、ある場所での地震による揺れの強さをあらわし、マグニチュードは地震そのものの大きさ(規模)をあらわします。これは電球の明るさと周りの明るさとの関係によく似ています。電球の明るさをあらわす値がマグニチュード、電球から離れたある場所の明るさが震度に相当します。つまりマグニチュードが大きくても(電球が明るくても)震源から遠いところでは震度は小さく(暗く)なります。
気象庁
気象庁によると震度は観測地点での揺れの強さを表し、マグニチュードは震源地でのエネルギーの強さを数値化したものであるようです。
日本国内では概ね震度の強さは震度で表されているのでどの場所ではどの程度の揺れがあったのかイメージしやすいので被害規模の実態に沿った適切な表し方であるように感じます。
流石に地震大国なだけあって経験が豊富ということがその背景にあるのでしょうか?
マグニチュードや震度は世界共通?
マグニチュードは大まかに言うと世界共通です。ただし、使っている計算式や地震観測網が違うために、それぞれ異なるマグニチュードの値が計算され、その結果、新聞などで見る外国の地震のマグニチュードが同じ地震なのに少し違っている場合があります。
震度は、その国の建物の壊れやすさなどにより異なり、したがって国によって異なっています。日本では、0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10階級で表し、震度計で観測します。一方、外国では主にMM震度階(モディファイド・メルカリ・スケール(改正メルカリ震度階))という12階級での表現を使っています。これは体感や被害によるものです。
日本でも以前※は体感による震度観測を行い、震度7の地域については事後の現地調査で決定していました。現在は、震度計により震度を観測し、速報する体制をとっています。
※平成3年4月から計測震度計の導入を開始し、順次全国に展開しました。これに伴い、平成8年3月までに体感による震度観測を終了しました。
気象庁
マグニチュードと震度について世界共通で使用されているのか調べたところ、概ね私が持っていたイメージ通りでした。
しかし、震度は日本国内だけのものかと思っていましたがどうやら外国では日本の震度とは違うMM震度階という十二段階の階級での震度表現があるということを知りました。
海外の地震が国内で報じられる時はマグニチュードのみで表されていることが多いですが、震度の基準が違うので現地震度を国内で報じても意味がわからないため一般的にマグニチュードで表しているのでしょう。
マグニチュードとモーメントマグニチュード
マグニチュードには実は2種類の計算方法があることはご存知でしょうか?
3.11の東日本大震災のマグニチュードを調べているとどうも2種類の値で表記されているらしいということに気づいて私は初めて知りました。
モーメントマグニチュードとは何ですか?
地震は地下の岩盤がずれて起こるものです。この岩盤のずれの規模(ずれ動いた部分の面積×ずれた量×岩石の硬さ)をもとにして計算したマグニチュードを、モーメントマグニチュード(Mw)と言います。一般に、マグニチュード(M)は地震計で観測される波の振幅から計算されますが、規模の大きな地震になると岩盤のずれの規模を正確に表せません。これに対してモーメントマグニチュードは物理的な意味が明確で、大きな地震に対しても有効です。ただし、その値を求めるには高性能の地震計のデータを使った複雑な計算が必要なため、地震発生直後迅速に計算することや、規模の小さい地震で精度よく計算するのは困難です。
気象庁
どうやら大きな地震に対しては一般的なマグニチュード(M)ではなく地盤のずれの規模をより正確に研鑽したモーメントマグニチュード(Mw)という単位で表されているようです。
ニュースで報じられる際にはどちらもマグニチュードで表されているような気がするので気になる規模の地震があれば気象庁などにアクセスしてMなのかMw7日を識別する必要がありそうですね。
マグニチュードと震度の換算はできない
ここまでマグニチュードと震度について理解を深めてきました。
ここでようやくマグニチュードと震度の換算について触れていきたいと思っているのですが察しのいい人は既に気づいているのではないでしょうか?
そう、マグニチュードと震度は「数値化する目的が違う」ので換算することはできません。
震度は観測地点の揺れを表し、マグニチュードは震源地でのエネルギーを表します。
震源地から伝わるエネルギーは観測地点までの地形の違い(陸地なのか海を介しているのかなど)もあって同じ半径以内の地点であっても観測地ごとに伝わるエネルギーの強さは異なります。
また、観測地点の地盤が強いのか緩いのかでも「揺れの大きさ」は変わってきます。
これらの理由によりマグニチュードを震度に換算する一般式は存在しないので換算することができないということになります。
日本と世界の大規模地震
日本国内で観測された歴代の地震の強さはこのようになっています。
単位はMなのでご留意ください。
東日本大震災はMw表記だと9.0ですがM表記では7.9なのですね。
M7.3の阪神淡路大震災が一覧にないので割と直近にあった地震のみを表示しているのかもしれません。
M6.5でも震度7であった2016年の熊本の地震やM7.4で震度6+であった宮城県沖の地震を見てもわかる通りマグニチュードと震度は必ずしも比例するわけではないということがよくわかりますね。
世界的にみると2012年のスマトラ島のM8.7が最大規模の地震だったようです。
大きな地震があるとスマトラ島の地震と比較されることが今でもありますが、こういった事情があったようですね。
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