先日、ブロッコリーを調理前に洗っているときにとあることに気づきました。
そう、料理をする機会の多い人であれば一度は思ったことがあるであろう「ブロッコリー、めっちゃ水弾いてない?」という現象です。
これでは洗えているのか洗えていないのかいまいち判断に迷うところ。
そこで、ブロッコリーが水を弾く理由を調べてみたので共有したいと思います。
ブロッコリーが水を弾くのは新鮮な証!
ブロッコリーを洗う時に気づいた方もいらっしゃると思いますが、ブロッコリーは水を弾きます。
この水を弾く性質を指して「農薬がついている証拠」として取り上げられることもしばしばあるのですが、実はこの水を弾いているのは【ワックスブルーム】と呼ばれる天然のロウ成分。
有限会社安井ファーム
ブロッコリーのご先祖様が地中海沿岸の過酷な環境に適応する(特に乾燥から身を守る)上で獲得した性質と考えられており、決して農薬による作用ではございません。
収穫から日が経ったブロッコリーほどブルームが薄くなり、水を弾く力が弱くなってしまうため、水を弾くのはそのブロッコリーが新鮮な証拠ともいえます。
ブロッコリーが水を弾く理由はワックスブルームという成分が表面に付着しているからだそうです。
私の見立てではブロッコリーの傘の表面が蓮の葉のように水を弾きやすい構造をしているからと思っていたので興味がそそられます。
水を弾く構造ではなく、成分が付着していたのですね。
ワックスブルームはブロッコリー以外にも付着
ワックスブルームについて調べてみると、どうやらブロッコリー以外の野菜でも分泌されているようです。
その中でもメジャーな例はキャベツやレタスです。
参加者から、「キャベツやレタスを水洗いした際、油状のものが浮くことがあるが、これは農薬ではないか」 との質問がありました。この質問に対し、以下の通りお答えします。
植物(作物)は固定した場所で生育していますから、外敵(害虫や病原菌)及び環境変化に対抗するため様々な方法を備えています。
キャベツは、葉の表面をろう物質で覆い自分の身を守っています。このろう物質は、キャベツ自身から出る代謝産物で、その主成分は脂肪族炭化水素です。乾燥状態が続いたりすると特に多く見られるようです。似たような事例として、レタス、ブロッコリー、カリフラワー等を水洗いした際にも同様な灰白色の浮遊物が見られます。
また、りんご、ぶどう、きゅうり等においても同じ目的をもった白い粉(ブルームといわれる)が見られるのはよく知られています。食品の安全という視点から農薬ではないかとの問い合わせがありますが、これらの物質は農薬ではありません。
農薬工業会
どうやらワックスブルームは乾燥だけでなく害虫や病原菌から身を守るために分泌されているようですね。
確かにキャベツでは表面が白っぽいものを見かける機会が多かったので、農薬かなと思っていましたが安心しました。
植物でもしっかりと身を守るための術を持ち合わせていることは面白いですね。
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